タイヤとホイールの説明
ウェットグリップと排水性
ウェットグリップ
ウェットグリップとは濡れた路面で止まる力(制動力)です。ラベリング制度での試験は気温等も細かく決められており、水深1.0mm±0.5mmの濡れた路面で時速80Kmから時速20mまでの減速時間を測定しています。ラベリング制度の説明と重複しますが、ウェットグリップのグレードが1段階上がると、濡れた路面での制動距離が乗用車の車両0.8台分くらい短くなります。【c】グレードのタイヤから【a】グレードのタイヤに替えた場合、制動距離が車両2.5台分ほど改善されます。
また、ウェットグリップが優れたタイヤは、ドライグリップ(乾いた路面で止まる力)やコーナリンググリップ(曲がる力)も高くなります。
例えばコーナーのアスファルトに砂が浮いた状態だとウェットグリップのグレードが【c】だと、外側に曲がるラインが膨らみますが、【b】グレード以上だとしっかり曲がれます。また、アスファルト舗装ではないコンクリート舗装のコーナーは滑りやすいので曲がりにくいですが、【b】グレード以上だとしっかり曲がれます。
燃費性能も重要ですが、安心安全な運転を考えるとウェットグリップグレードは【b】以上がおススメです。
排水性
ウェットグリップに対し排水性とはタイヤの進行方向に水を弾き飛ばす性能と、接地部分の水を後方に流し出す性能です。
上の写真のフロントタイヤを見ると水が前方に弾き飛ばされ、さらに水を後方に流しているシーンがよく分かりますね!進行方向に水を弾き飛ばす事により、タイヤをしっかり路面に接地させる事が出来るのです。タイヤの溝が少なくなると排水性が極端に悪化し、ハイドロプレーニング現象を引き起こしやすくなってしまいます。
ハイドロプレーニング現象とは?
ハイドロプレーニング現象とは、タイヤが路面に接地する事が出来ずに水の上を走ってしまう現象です。
ハンドルも効きませんし、ブレーキも効かなくなるので大変危険です。タイヤの残り溝が少ない場合には、市街地走行の速度でもこの現象が起きる可能性が高くなりますので、早急にタイヤを新しくする必要があります。ちなみに泥濘地走行でもハンドルも効かず、ブレーキも効かなくなる現象がおきます。泥の中で浮いてしまう現象はビスカスプレーニング現象といいます。
雨に強いタイヤ
雨に強いタイヤとはゴム質(ウェットグリップ)と、接地部分のパターン(排水性)の組み合わせが最適なタイヤだと言えます。(クリックでヨコハマのウェット性能説明サイトが開きます)ヨコハマタイヤでは雨に強いウェットグリップ性能【a】を獲得したタイヤが2022年2月時点で業界で初めて380サイズを突破いたしました!!今まで実現できなかった軽自動車用145/80R13でも【ブルーアースRV RV03CK】という商品でウェットグリップ性能【a】を獲得しています!!
また、日本でのウェットグリップ測定は時速80Kmからの減速時間測定によりますので、ハイパフォーマンスタイヤはラベリング表示が低くなる事もありえるそうです。日本では時速300Kmで走行する道路はありませんが、ドイツのアウトバーンなどで非常に高いスピードでのウェットグリップを測定すると全く別の表示になるのかもしれませんね。こんな説明をすると混乱してしまいますが、ラベリング表示におけるウェットグリップの表示が高いタイヤも、ハイパフォーマンスタイヤも雨の日は安心してブレーキを踏めますのでご心配なく!!