タイヤとホイールの説明
スタッドレスタイヤ・スノータイヤ・オールシーズンタイヤについて
2022年5月現在、ヨコハマタイヤが国内販売を行っているスタッドレスタイヤは乗用車用がアイスガード7、アイスガード6、アイスガード5プラス、SUV・CUV用がアイスガードSUV G075、バン用がIG91V、トラック用がIG91という商品になります。
更にヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤ・スパイクタイヤ・スノータイヤ・オールシーズンタイヤ用のゴムは世界各国の事情に合わせて作られておりますので、ゴムの種類は1つの商品に対し、必ず1つでは無く数種類のゴムが存在します。ホームページやカタログには掲載されていませんので、タイヤ業界の中でも知らない方もいらっしゃるかもしれません。
外国にお住まいで、その国でスタッドレスタイヤを購入した場合、商品名は同じでもコンパウンドはその国専用にチューニングされています。細かくサイズを検証すると、荷重指数とスピードレンジが違う場合があります。コンパウンドの固さとタイヤのケース剛性が異なりますので、雪上性能・氷上性能にも違いがあります。
世界各国によって道路事情が違いますし、平均気温、降雪量、除雪作業のスピード、湿度も異なりますから、一つのコンパウンドで全ての国の道路状況に対応する事が難しいのは簡単に予測できますよね…
特に日本の国土は南北に狭く高低差が極端な為、道路のカーブの数は世界でもトップクラスであり、タイヤにとっては非常に過酷な道路状況なのです。更に北緯40度線(クリックで別サイトが開きます)が通過する世界の地域をご存知でしょうか?日本だと秋田県が該当し、欧州ではスペイン・イタリア・ギリシア等の国が該当、アメリカだとカリフォルニア州・ネバダ州・ユタ州等が該当します。世界の地理的に考えると、実は日本の位置は降雪地域の中では、だいぶ南側に寄っており、本来なら雪が降る事はあっても、緯度から考えると積雪しにくいはずの地域なのです。しかし、現実的には標高の高さや気象条件等により積雪があり、特に長野県では積雪→日中に溶ける→夜に凍るというサイクルが発生して道路状況は凍結路になりやすくなっています。
欧州では積雪→日中に溶けない→積雪というサイクルが繰り返され、道路状況は圧雪路になりやすくスノータイヤでも走行可能です。
また、ドイツにはアウトバーンという速度無制限区間が存在する高速道路があります。アウトバーンは除雪体制もしっかり整ったうえで融雪剤を大量散布するため、氷上性能よりも0度近辺の冷たい水をしっかりと排水し、低温時でもウェットグリップを発揮できるタイヤが望まれます。しかも、このような状況下で時速200Kmの速度を出してもブレないタイヤでなければいけないそうなので、日本で販売されているスタッドレスタイヤとは性能が異なるスノータイヤやオールシーズンタイヤが好まれているそうです。スノータイヤはスパイクピン無しで圧雪路面走行を行う為に開発され、オールシーズンタイヤのサイプ(切れ込み)の量を増量し、エッジ性能(引っかかり効果)を強化したタイヤです。氷上制動性能はあまり高くないのですが、スタッドレスタイヤと比較した場合、ドライ性能が非常に優っており高速走行に向いています。
近年では日本国内でも非降雪地域に向けて、タイヤメーカー各社がオールシーズンタイヤの発売を開始しております。
年間を通してタイヤ交換をしなくても良い、多少の積雪でも走行可能な事がオールシーズンタイヤのメリットです。一方で走行音がうるさい、ドライグリップとウェットグリップが夏タイヤに比べて劣る、氷上制動性能はスタッドレスタイヤに比較し極端に劣る、等のデメリットがあります。また、気になる価格帯は夏タイヤよりも高く、ほぼスタッドレスタイヤと同等なメーカーが多いようです。タイヤのライフについては、スタッドレスタイヤより若干長い感じです。
ヨコハマタイヤもオールシーズンタイヤとしてブルーアース4S AW21(クリックで別サイトが開きます)をラインナップしております。
但し、凍結路面の走行は非推奨、且つ、高速道路のチェーン規制の際にはチェーン装着が必要です。
(冬用タイヤ規制の際は通行可能です。)
日常的に凍結路を走行する場合ではスタッドレスタイヤの装着が推奨されておりますので、長野県内にお住まいの方にはスタッドレスタイヤをお勧めいたします。
最後にパターンの特徴について説明いたします。スノータイヤ・オールシーズンタイヤのパターンは、排水性能を上げる為に方向性パターンを採用する事が多く、前方に水を弾き飛ばす性能を重視しています。国内向けのスタッドレスタイヤでもSUV用については方向性パターンを多く採用していますが、これらの場合、深い雪の中を進む性能を上げる事(前方トラクション)を目的としています。同じ方向性パターンでも目的が異なるところが面白いですね!!